2003-02-28 宇宙ステーションへの飛行士往来、ロシアが担当へ

ワシントン 米スペースシャトル・コロンビアの空中分解以降、シャトル打ち上げ再開のめどが立っていないが、国際宇宙ステーション(ISS)との間の飛行士の往来は今後、ロシアのソユーズ宇宙船で行われることになった。米航空宇宙局(NASA)のオキーフ長官が27日、米下院科学委員会で証言して明らかにした。 これまで、ISSとの間の飛行士の往来はシャトルが5カ月に1回程度行ってきた。

シャトル事故以降、NASAは、ロシア航空宇宙局と協議を重ねてきたが、同長官によると、今後はソユーズを使うことで米ロ間の合意が成立した。 今回成立した合意には、無人の宇宙貨物船プログレスの建造・打ち上げを増やすことも含まれている。

ソユーズによる最初の飛行士の往来は、4月か5月に予定されている。このときの飛行では、地上から米国人とロシア人の飛行士計2人をISSに送り、ISSにいる飛行士3人(米国人2人、ロシア人1人)を地球に帰還させる。

ただ、今回の合意にもかかわらず、飛行士の往来の将来に懸念を示すNASA関係者もいる。その理由の一つは、資金難のロシア航空宇宙局が欧州宇宙機関(ESA)に、将来のソユーズ飛行の座席の一部を販売してしまっていることだ。

またロシアがイランに核技術を供与しているため、「米連邦法上、連邦予算をプログレス建造のために支出することはできないのではないか」と指摘する声もある。(CNN)