2003-02-07 北朝鮮、年内にテポドン2を発射の可能性 防衛庁研究官が指摘

 防衛庁防衛研究所の武貞秀士主任研究官は7日、東京・内幸町の日本記者クラブで北朝鮮情勢について講演し、北朝鮮が弾道ミサイル・テポドン2を今年中に発射する可能性を指摘した。

 武貞氏は北朝鮮が93年にノドン、98年にテポドンを発射したことを挙げながら、「北朝鮮は5年ごとに新しい形のミサイルを発射している」と指摘。「テポドン2は新型ブースターの上にノドンをつけており、北朝鮮の技術がそこまで進んだことを意味する。射程は3000〜6000キロで米本土が射程に入ってくることも意味する」と脅威拡大に懸念を示した。

 今後の展望については「金正日総書記もブッシュ米大統領も(強硬な)態度を変える見込みがないと考えると、外交的解決の道は遠い。軍事衝突の可能性も高いが、(手詰まりになった末に米国が)『朝鮮半島の問題は同じ民族同士で話し合って欲しい』と朝鮮半島から撤退し、こう着状態になる可能性が少しづつ高まっている」との見方を示した。(毎日新聞)

 北朝鮮の中距離ミサイル・ノドンの攻撃を東京が受けた場合、核弾頭か化学弾頭が装着されていれば数十万人の死者が出るとの見方を示した。また、天然痘などの生物兵器が都内でばらまかれるテロ攻撃があれば、東京の人口の4分の1から3分の1が死亡する可能性があると語った。「個人的試算」として明らかにした。(時事通信)