2003-02-11 宇宙ステーション、有人体制維持で米露基本合意:露宇宙船で乗員交代
米シャトル空中分解事故の影響が懸念されている国際宇宙ステーション計画をめぐり、米航空宇宙局(NASA)とロシア航空宇宙局が、ロシアの宇宙船を使って乗員を半年ごとに交代させるなどして有人体制を維持することで基本合意したことが分かった。ロシア航空宇宙局のゴルブノフ報道官が10日、共同通信に明らかにした。
米国がスペースシャトルの打ち上げを当面中止したことで基地の無人化の可能性が懸念されていたが、制御が難しくなるなどの技術的問題が指摘され、米露の宇宙当局が打開策を協議していた。
米露は今後、予算面を含めた措置を詰めた上で、国際宇宙ステーション計画に参加する日本や欧州にも合意内容を説明、理解を求める方針。
報道官によると、有人体制は、ロシアの宇宙船ソユーズの年2回の打ち上げで維持。シャトルが担ってきた貨物輸送の代替のため、宇宙貨物船プログレスの打ち上げを、計画より1回増やし4回にするほか、来年は5―6回まで増発する。
基地に常駐する乗員は現在の3人から2人に削減、半年のローテーションで次のクルーと交代することを検討している。
プログレス建造など資金面については、ロシア航空宇宙局のモイセーエフ第一副局長が同日、米国が負担することで当局間が合意していることを明らかにした。(モスクワ共同)(毎日新聞)