2002-11-25 宇宙向け国産CPU、水星探査に使用(週間アスキ−12-10号で注目記事発見)

文部科学省、宇宙科学研究所(ISAS)は、2010年に欧州宇宙機関と共同で、水星探査衛星「BepiColombo」を打上げる計画である。その衛星の一部に国産CPUが搭載される計画である。
 宇宙用部品では、宇宙放射線の影響によるソフトエラーの発生が深刻な問題となっている。そこで、ISASでは、放射線の影響を受けにくい「SOI」(シリコンオンインシュレーター)というプロセスを利用し、エラー発生率の極めて低い128Kbit-SRAMを世界ではじめて開発した。エラーの発生率は9000年に1回の確立とされる。

 この技術を応用し、ISASと三菱重工や沖電気などが宇宙航空機向けCPUを開発、生産する計画となっている。さらに水星探査衛星への搭載も視野に入れており、これが実現すれば、「国産CPUがはじめて宇宙へ飛び立つことになる」(ISASの廣瀬和之助教授)としている。
この宇宙向けCPUは、既存品と比べて価格も安く抑えられる見通しで、ISASとしては、宇宙開発における日本の戦略的部品になり得ると考えている。