2011-08-08 JAXA、あてのない長すぎる宇宙滞在

Masae Honma スタッフライター/読売新聞

国際宇宙ステーションで日本人宇宙飛行士古川聡が5か月半滞在しているが、一部の専門家によると、日本は宇宙の科学的研究を行う上で、その戦略を再考する時期に来ている、と警告している。

ISSで実施した実験では常に数々の規制があるために利用価値のある結果を生み出していない。

ISSの運用が2020年に終了後、日本は何をするのか?宇宙航空研究開発機構JAXAは、新しい戦略を構築する必要がある。

古川(47)宇宙飛行士は、2011年6月10日にISSに搭乗するために、ロシアのソユーズ宇宙船で6月8日に地球を発った。JAXAの宇宙飛行士が宇宙ステーションで多くの実験を実施する予定である。

JAXAによるISSでの最初の実験は、船外の宇宙の塵収集に関するもので、1994年に計画され、2001年に実施された。それ以来、50を超えるその他の実験は、JAXAによってISSで行われている。

しかし、横山哲夫JAXA、ISSプログラムマネージャは、研究プログラムはほとんど価値ある成果をもたらしていないと認めている。

"特筆すべき結果がまだ生まれていない。"と横山は言う。

2009年以来、ISSは6人の宇宙飛行士の新制度の下で運営されている。この制度で、日本、米国、欧州諸国で年間に行なわれた実験の数を見ると、ほぼ倍増して200件ほどになっている。

2008年にはJAXAは、まだ建設中であった実験的なISSモジュールきぼうで研究を始めた。施設は2009年に7225億円の費用で完成した。

外科医でもある古川宇宙飛行士は、宇宙飛行士の健康状態を監視するために価値のある基礎研究をISSで推進していく予定である。

宇宙の無重力条件では、かつて地球上では開発できなかった画期的な新薬を作る夢に影響を与えた。しかし、現実には地球上では不可能だった非常に少数の発見や、限られた数の実用的なアプリケーションがISSで開発されただけだった。

宇宙を利用した実験を希望する研究者の数は減少傾向にある。

毎年の非効率なお役所仕事(Red Tape)

実りの多い結果の欠如の理由の一つは、実験のための長い準備期間である。例えば、2008年と2009年にきぼうで行われた18の実験の半分は10年以上前に承認されていた。

実験の安全性を評価するには時間がかかる。実験が提案されてから実際に実験が実施されるまでに16年以上かかっている。

1994年に選択された宇宙実験の50%以上は、その後放棄された。あるケースでは、宇宙で実験が実施される前に、地球上のライバル研究者によって同じ実験が実施されてしまった。また、別のケースでは、彼らのプロジェクトは、実験の予定に入っていながら、関係する研究者が退職してしまった。

実施されるまで10年以上かかった宇宙での生物学実験に携わった大学教授は、長い遅延は、最先端の研究の全体構想を敗北させたと述べた。 "実験の有効期限は、ちょうどあなたが待って座っている横を通り過ぎてしまった。制限がたくさん有りすぎる"と彼は語った。

JAXAは、処理期間を短縮しようとしているが、JAXAによると、実際に承認された実験が実施されるまでに少なくとも3年かかる。

別の単純な障害物は、ISSでの宇宙飛行士が利用できる時間の欠如である。実験の実施を担当する3人の宇宙飛行士は一週間で合計約90時間働く。このうち、JAXAの実験に割り当てられた時間は3時間未満であり、結果として複雑な研究​​が不可能であることを意味する。

米国は、すでに変更を実施

ISSの運用は、昨年二月にオバマ米大統領の予算演説で2020年まで延長されることが提案された。しかし、いくつかの重要な変更が行われると見られている。

米国のスペースシャトル引退の後、ISSに宇宙飛行士や材料を輸送する作業は民間部門へ委託される。 ISSでの米国の研究モジュールでは、実験を行うための民間企業や大学への使用可能な領域は、モジュールの50%に拡大される。従来は30パーセント程度であった。

日本はISSに年間約400億円を支出している。このような巨大な投資には十分な成果が期待されるが、2016年からISSを利用するための国家戦略は存在しない。

実験や宇宙での琴の演奏などの風変わりな行為は日本国民にアピールしている。しかし、JAXA執行役員の長谷川氏は、"ISSを利用する第1目標は、世界に日本の技術を示すことです。"

社会が、この目標が価値あると信頼し、効率的に進められている限り、公的資金の大量投入が消えること無ない。

宇宙開発戦略に関する政府諮問機関は、来年度の宇宙プログラムに資金を配分する際に考慮すべき優先順位のリストを提出する予定である。委員は具体的な戦略が整っている場合にのみ、タイトな予算に照らして、資金がISSプロジェクトに与えられるべきであるとする提言が期待される。

東日本大震災からの被害修復の費用は莫大になる。 もちろん、JAXAはお金の山がISSに向けられるべきと考えている理由を説明する必要がある。

ISSが閉鎖される前に、わずか9年しか残されていない。施設利用に向けた日本のアプローチは、再検討される必要がある。時間を無駄にする余裕は無い。