2009年科学界話題トップはハッブル修理

USAトデイでは2009年最大の科学的発見リストを発表している。その中で宇宙関連ではハッブル宇宙望遠鏡の修理ミッションである。これは今年の5月に問題となっているレールを宇宙飛行士が力ずくで取り除き、ハッブルの延命につながった。オバマ大統領は研究や科学教育に予算増加を求めており、科学者から意思決定への意見を求める方向である。

小型衛星、地球磁気圏の「殺人電子」を観測

コロラド大学大気宇宙物理学の研究者と航空宇宙エンジニアリング科学部の研究者らは、小さな人工衛星を使用してある特種な粒子を観測しようとしている。この粒子は太陽フレア、及び太陽フレアを地球大気との相互関係をより深く理解できる可能性がある。国立科学財団が資金を提供するこのプロジェクトはコロラド学生宇宙気象実験と呼ばれており、食パン程度の大きさの衛星に小型の観測装置を搭載し、地球環境近傍の宇宙空間で宇宙気象に影響を及ぼす高エネルギー粒子を観測する。ミッションから入手できたデータは地球磁気圏に閉じ込められる電子をはっきりさせる。この粒子は宇宙船や宇宙飛行士にインパクトを与えることから、キラー電子(殺人電子)と呼ばれている。衛星の重量は2キログラム以下。PIはXinlin Li教授

韓国のKARI、今年2回目のロケット打上げ

2009年の打上げが半分成功という不本意な結果に終わった韓国KARIのロケット打上げに続き、今年も打上げを予定している。KARI(韓国航空宇宙研究所)はすでに2段目の開発と搭載する衛星の開発も終了しており、準備万端である。KARIは米国や欧州を含む世界10カ国の宇宙機関や研究センターと協力調印の話し合いを進めている。このことから、2010年は韓国宇宙機関にとって大変重要な年になる、と関係者は期待している。

ボーイング、航空機の状況評価システム開発

NASAは航空機の状況評価システムの設計、実装、実証を行う契約をボーイングとの間で調印した。このシステムはリアルタイムで推進、飛行制御、機体、ソフトウェアの「逆の出来事」を監視する。問題を検出すると、機体レベル推論システム(VLRS)が作動し、不具合の診断を行い、原因を評価し、航空機の残りの耐用年数から影響を予測し、不具合の影響を緩和するための適切な手段を講じる。NASAとの契約では既存及び次世代の軍民航空機に導入可能であることが条件となっている。

NASA、地球環境監視衛星を2010年に3機打上げ予定

NASAは今年、地球環境である気象、海洋、及び太陽を観測するための衛星を3機打上げる予定である。この衛星には海洋の塩分濃度を観測するアクエリアス(Aquarius)、地球大気のエアロゾルを観測するグローリ(Glory)衛星、そして太陽の磁界を観測する太陽動態観測衛星(Solar Dynamics Observatory)である。この3機の衛星はNASAにとって重要であり、将来のNASAの有人宇宙プログラムの行方が議論される中で、一筋の希望の光のようなミッションとなる。アクエリアスミッションは、アルゼンチンCONAE宇宙機関との共同ミッションであるが、衛星の製造が遅れ、1年以上遅れる可能性がある。CONAE宇宙局はSAC-D衛星を開発している。ミッションは2010年に打上げる予定となっているが、JPL広報によるとNASAとCONAEは新たな打上げ日を設定するための再検討を行っている。

中国、チャング2号月探査機打上げを2010年に予定

中国は2機目の月探査機、チャング2号を今年末までに打上げると発表した。国防科学技術産業省によると、チャング2号の鍵となる6件の新技術を開発しつつあり、月捕捉、軌道制御、高分解能立体カメラ等が含まれる。

ロシア宇宙庁長官、国際協力の重要性がますます増加

ロシア宇宙庁ロスコスモスのペルミノフ長官は、宇宙開発における国際的協力はより重要になっていると述べた。中国とインドが協力を望んでいる。また、NASAからも協力の申込みがきている。ペルミノフによると、NASAとの協力では責任分担に関する意見交換を行い、指揮と指令を双方行わないことを確認しようとしている。また、ロシアは過去5年から10年の間に急激に成長した中国の宇宙開発とは、競争相手としてではなくむしろパートナーとして捉えていると述べている。中国航空宇宙協会(Chinese Society of Astronautic)とロシアのK.E. チオルコフスキ航空宇宙機関(K. E. Tsiolkovsky Astronautics Institution)の両協会は昨年12月に、学会レベルでの宇宙情報交換を積極的に行うことを目指した合意を調印した。中国アナリストの一人は、しかしながらロシアの行動に不満を表している。理由は、中国のYH-1衛星打上げミッションの遅れであり、ロシアは中国をごまかした、と批判している。

宇宙ステーションにダイモンド、1年間滞在試験

イスラエルのダイヤモンドが国際宇宙ステーションに持ち込まれた。これはイスラエルの技術研究所である「テキノン:Techinon」が宇宙ステーションを利用して、人工衛星のコーティングが過酷な宇宙環境に何年耐えうるのか、材料の性能を確かめるためである。イスラエルの研究者によると、人工ダイヤモンドを宇宙空間に暴露させ、炭素のかたまりであるダイヤモンドが大気酸素の悪影響を受けないことが確認できると、将来、宇宙で衛星等の耐久性向上に役立つ、と期待している。研究室レベルで或る方向に人工ダイヤモンドを成長させると、より耐久性が向上することが判明している。宇宙ステーションで実験後は地球に持帰り、検証される。人工ダイヤモンドは炭素13にアイソトープを照射することで生成することから、宇宙環境による炭素への影響を受けないで実験が出来ると予想している。

イラン、国内で開発の衛星を発表

イランは今年2月にも純国産人工衛星を発表する予定である。西側はイランが核兵器や宇宙産業のために原子力や弾道兵器を開発していると懸念を表している最中にもかかわらずである。新しい衛星の名称は「Toloo(夜明)」となっている。衛星はイラン電子機器産業(Iran Electronics Industries:Sa Iran)が開発した。この企業は国防省の系列会社と言われている。作戦における武装兵士の必要性は国内の軍需産業の信頼できる装置で満足可能である、と国防大臣が述べている。イラン初の国内産衛星「Omid:希望」は昨年2月に打上げられた。これはイスラム革命30周年を記念した催しであった。