2009-12-14 ザイリンクス、国立天文台と東大が共同開発中の超小型衛星に「Virtex-5 ファミリ」を搭載

 ザイリンクス株式会社(東京)は、国立天文台と東京大学中須賀研究室が2011年ごろの打ち上げに向け共同開発中の超小型赤外線位置天文衛星 Nano-JASMINEの頭脳部分にVirtex(R)-5 FPGAファミリが搭載されることを発表した。

 東京大学中須賀研究室の酒匂信匡博士は「中須賀研究室の第4号機となる超小型衛星Nano-JASMINE を実現するには高性能な頭脳が不可欠です。ザイリンクスのVirtex-5 FPGAを採用したことで、衛星の重要な役割である星のデータを取得するための画像処理と、衛星自体の健康状態のチェック機能を大幅に向上することができました。高集積のVirtex-5により周辺回路の削減が可能になり、結果として開発コストの低減も実現できました。また、ザイリンクスの販売代理店である東京エレクトロンデバイスの木目細やかなサポートにも感謝しています」と述べている。

 国立天文台と東京大学中須賀研究室が共同開発している超小型衛星Nano-JASMINEは、”星の地図”である星図を作る目的の科学衛星で、1989年8月に欧州宇宙機関(ESA)が打ち上げ93年に運用を終了したヒッパルコス(Hipparcos)に続く宇宙の天文台となる。Nano-JASMINEは、超小型衛星として世界最高レベルのデータ処理や姿勢制御性能が求められており、挑戦的なプロジェクトとして注目、2011年ごろにブラジルから打ち上げられる予定である。Nano-JASMINEは最新型のCCD(電荷結合素子)センサーを搭載しており、帯状に星を撮影しながら半年かけて全天を観測し、これを2年間繰り返し星の地図を作成する。

 Nano-JASMINEの頭脳部分にザイリンクスのVirtex-5LX50が2個搭載されており、衛星の電気系統や温度管理などのシステム制御、望遠鏡の画像処理に使われている。従来、超小型衛星の頭脳部分であるオンボードコンピュータにはPIC(Peripheral Interface Controller)マイコンを使っていたが、演算能力を大幅に向上することが必要で、その実現にVirtex-5が評価された。CPUコアを内蔵している Virtex-5は、ほかにも、柔軟性に優れていることや、内部回路構成を自由に変更できるので仕様が異なってもハードウェアの変更が不要になること、宇宙環境に耐えられる性能を実現していることなどが評価された点として挙げられる。

 ザイリンクスは、航空宇宙、防衛および高信頼性製品市場で20年の実績を持つプログラマブルロジックプロバイダのリーダであり、第2 位の競合他社の2倍以上のマーケットシェアを誇っている。2009年5月には豊富な実績を活かした、ザイリンクスの航空宇宙、高信頼性デバイスポートフォリオのもっとも新しい製品であるVirtex-5Qを発表している。この製品はVirtex-5から発展した製品で、高性能化とセキュリティ要件に対応し航空宇宙や高信頼性システム向けアプリケーションに最適な製品となっている。

ザイリンクス株式会社のサムローガン社長は、「ザイリンクスが20年にわたり培ってきた航空宇宙向けの技術が、世界的に注目されているプロジェクトに採用されたことを大変光栄に思っています。ザイリンクスのFPGAはアメリカ航空宇宙局NASAの火星探査機にも搭載され活躍しました。Nano-JASMINEへのVirtex-5の採用も、これまでのザイリンクスの実績が評価されたものであると自負しています。今回のプロジェクトでも大きな成果をもたらす手助けになれればと考えています」と述べている。(Nikkei Net)