2006-07-31 空き缶“衛星”21万円…東大阪の組合メンバー発売へ

空き缶に通信機やコンピューターを詰め込んだ「CANSAT」 町工場の技術を結集して人工衛星の開発に挑戦している東大阪宇宙開発協同組合(大阪府東大阪市)のメンバーが、空き缶を利用した超小型“衛星”「CANSAT」(カンサット)の組み立てキット一式を21万円で市販する。

 気球や小型ロケットなどで地上数千〜数百メートルからパラシュートを付けて落とす。落下途中に撮影した雲の様子や街並みなどの画像データを無線で地上に伝えることができ、気象衛星や偵察衛星のような機能を持つ。回収したCANSATは再利用も可能という。

 350ミリ・リットル入りの市販のお茶やコーラの缶に通信機、電源、小型コンピューターなどを組み込む仕組みで、簡単に組み立てられる。全地球測位システム(GPS)も搭載している。

 開発者で東大阪の衛星開発を指導している東京大大学院の中須賀真一教授(航空宇宙工学)の研究室に各地の高校や大学などから「衛星の仕組みを勉強したい」との声が寄せられ、中須賀教授が同組合に商品化を打診。組合事務局の丸川智子さんが社長となって今年3月に設立した「空庵(くうあん)」(兵庫県芦屋市)が製造、販売を手がける。キットは、8月19日に秋田県能代市で開かれる、大学生による宇宙に関する研究成果の発表会「能代宇宙イベント」で披露される。(読売)