2006-07-21 ファルコン1の打上失敗原因、アルミ製のナット破壊

Space Exploration Technologies (SpaceX)が開発し打上に失敗した Falcon1号ロケットの失敗の原因を調査していた官民合同委員会の最終結果が発表された。

当初考えれらていた人的な要因が原因ではなく、ステンレス製の燃料パイプを固定するアルミ製の小さなナットが打上時に破壊され、それが原因で燃料が漏れ、引火したとの見解である。引火すると酸化剤を供給するパイプが遮断されるため、燃焼がストップし、予定高度に達する前にロケットは飛行を停止し、地上に落下してきた。

SpaceX社長のムスクによると、何故このナットが破壊したのかは原因不明だが、何らかの原因で腐食していたとのではとの考えを示した。腐食はナットの内部で発生しており、表面ではないために裸眼では発見することができなかった。さびの原因として考えられるのは、射場の環境が影響しているとも。湿気が高く、しかも打上前にはロケット本体の保護をしていなかった。

別の原因として考えられるのは、電解腐食というもの。ナットのアルミとパイブのステンレスとの間で電解が起こり、副作用としてナットが腐食したとも考えられる。

今後の対策としてナットをアルミ製からより安価なステンレスに交換する。また、打上前には周辺環境とは切り離しておく処置を施す。

次の打上には衛星はのせず、DARPA提供の実験装置を載せる。打上が順調に進めば来年にはTacSatを打上げる予定。