2006-07-03 宇宙への投資:急成長する商業宇宙市場

5月15日に開催された初のスペース・ファイナンス会議で発せられたメッセージは、“現在の宇宙には数多くの商業機会がある”ということであった。
英国の宇宙専門家やシティの金融業者が集まった会議では、宇宙への投資が如何に大きな見返りをもたらし、それと同時に社会を改善させるかということが話し合われた。

「現在、宇宙には数多くの商業機会があり、市場は急速に成長している。英国の産業界がこの新しい市場で大きなシェアを獲得し、そのための資金を有しているようにする必要がある。」とサイエンス・イノベーション担当大臣であるセインズベリー卿は会議で述べた。

メディア企業であるAvanti Screenmediaと衛星メーカーであるEADS Astriumがこの“The Case for Space Finance”会議で欧州宇宙機関(ESA)の契約に調印したことで、英国産業はその主導的な立場をさらに強化した。

この契約はHYLASプロジェクトを実行するためのもので、デジタル・ディバイドを乗り越え、衛星を通じて英国や欧州全域の地方にブロードバンド・インターネットを手頃な金額でもたらすことになる。

HYLASはESAのARTES(Advanced Research in Telecommunications Systems)3プログラムを通じて資金を得ている。貿易産業省(DTI)は英国国立宇宙センター(BNSC)を通じて、2005年にARTES 3のために2300万ポンドの資金を提供した。

参考資料

BNSCは英国の民間宇宙政策をコーディネートしている。11にのぼる政府の省庁や研究会議のパートナシップであるBNSCは、世界ならびにESAにおける英国の代表組織である。

“The Case for Space Finance”会議はBNSCとAvanti Screenmediaが共同スポンサーとなった。会議の席上で見解を述べたのは次の人たちである。
‐ Lord Sainsbury(科学担当大臣)
‐ Giuseppe Viriglio(ESA、EUおよび産業プログラム担当ディレクター)
‐ Colin Paynter(アストリウムUK、代表取締役)
‐ Andrew Sukawaty(INMARSAT、最高経営責任者)
‐ Sir martin Sweeting(サリー・サテライト・テクノロジー、最高経営責任者)
‐ Mike Dillon(Esys、最高経営責任者)
‐ Peter Nesgos(Global Project Finance Millbank Tweed、パートナー)
‐ Judith MacKenzie(アバディーン・アセット・マネージャーズ、投資マネージャー)
‐ Les Copeland(Growth Company Investor、編集ディレクター)

2008年後半に打ち上げ予定のHYLAS衛星は、15年の寿命が見込まれている。欧州全体に40 x 33 MHzトランスポンダーと同等の能力をもたらす。EADS Astriumは衛星の建造を担当する契約で、Avanti Screenmediaは打ち上げ後のオペレーションを手がける。(英国大使館広報)