土星の衛星エンセラダスの地下に水が存在する可能性があることが、米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）の土星探査機カッシーニの観測で分かった。観測チームのリンダ・スピルカー氏らが、米科学誌サイエンスの最新号に発表した。
チームによると、カッシーニから送られてきた高画質映像を分析した結果、エンセラダスの南極付近から、細かい氷が煙のように噴き出していることが明らかになった。「地下に大量の水があり、それが間欠泉のように噴出しているのではないか」と、スピルカー氏は語る。
エンセラダスの地表の温度は氷点下１８８度前後とみられる。地下では０度前後に保たれている水が、噴出と同時に瞬間的に凍り、細かい氷の粒になると考えられる。 これまでに地球以外で水のある可能性が指摘されているのは、木星の衛星エウロパと火星。「今後はエンセラダスもその仲間に入ることになった。液体としての水や、地下での温度を保っているエネルギー源の存在から、生命体が生まれている可能性も考えられる」と、チームのメンバーらは話している。(CNN)