2005-12-03 基本設計で終了、「期待通り」=日本版無人シャトル計画−文科省宇宙開発委

 日本版無人スペースシャトルと期待されながら、試験機の製作が中止された「HOPE−X」開発計画について、文部科学省宇宙開発委員会の推進部会は3日までに、基本設計段階での総合評価は「期待通り」とする事後評価報告書をまとめた。7日の同委で正式決定する。

 1993年度から総額約450億円を投じ、小型機で5回の飛行実験を行った国家事業は名実ともに終了。しかし、今後の有人・無人宇宙船の開発方針は定まっておらず、関係者は成果の散逸を防ぐため、後継計画の検討を求めている。

 HOPE−Xは全長が13.4メートルと米シャトルの約3分の1で、重さは13トン。H2Aロケットに搭載して地球周回軌道に打ち上げ、帰還時は滑走路に着陸する。国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送や、単独で宇宙実験を行うことが想定された。人間の搭乗は無理だが、関係者は将来の有人化を念頭に置いていた。(時事)