2004-11-20 日本版シャトル拠点閉鎖へ、投入22億円・飛行3回

 宇宙航空研究開発機構は、太平洋赤道直下のキリバス共和国クリスマス島にある、宇宙輸送機の実験拠点に関する協定を打ち切る方針を固め、同国政府と協議を開始した。

 同機構の前身の宇宙開発事業団が、22億円で飛行場周辺の道路と港湾を整備したが、飛行実験が3回、計45分間行われただけだった。

 同機構は2000年2月、キリバス政府と島南部のエイオン飛行場を20年間無償借用するという協定を結んだ。

 日本版スペースシャトル開発のため、2004年度に無人の宇宙往還技術試験機(HOPE―X)を、鹿児島・種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げ、地球を1周してエイオン飛行場に着陸させる計画だった。

 ところが、2001年から機体製作が始まる予定だったHOPE―X計画は、宇宙予算削減のあおりを受け2000年度に凍結。そのため飛行場の利用は、予備実験用の模擬機で離着陸テストを2002年10―11月に3回実施しただけで終わった。

 HOPE―X計画は関連予算も昨年度で終了。飛行場の当面の利用予定もほかにない。キリバス政府と日本企業の合弁会社に支払っている年間2800万円の実験施設の維持整備費も、今年度で終了する。(読売新聞)