2004-08-10 カナダが米と情報共有化 ミサイル防衛、慎重論も

カナダ、米両政府は9日までに、両国の共同防空組織、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍(いずれも司令部・米コロラド州)が北米大陸に向かってくる弾道ミサイルに対抗する早期警戒システムの入手データを共有化することで合意した。北方軍は米本土のミサイル防衛(MD)を担っており、カナダのミサイル防衛網への参加に向けた環境が整った形だが、カナダには宇宙空間の軍事化に根強い慎重論があり、正式参加には曲折が予想される。

 カナダのマーティン首相は昨年末の就任前からミサイル防衛網参加に意欲を示していたため、米国防総省は今回の合意を「事実上の参加」(同省筋)と評価している。ただ、カナダ政府は声明で「今回の決定はミサイル防衛の論議とは独立した問題だ」と強調した。(共同)