2004-04-19 中国:小型・ナノ衛星2基の同時打ち上げに成功

 西昌衛星発射センターは、「試験衛星1号」と「納星1号」化学実験小衛星を搭載した「長征2号」丙型ロケットを打ち上げた。両実験衛星ともに、各予定軌道に乗ることに成功。中国の衛星研究技術にさらなる一歩を記した。19日付で中国新聞社が伝えた。

 「試験衛星1号」は、中国初の通信型立体観測衛星で、重量は204キロ。主に国土資源、地理環境の測定と科学試験などを行なう。また、「納星1号」は中国独自のハイテク技術により建造された初のナノ衛星で重量は25キロ。CMOSカメラを搭載し、地形走査による高解像度の立体地図の作成テストに当たるほか、環境、資源、地理、気象観測、科学実験などに用いられる。

 ロシア、米国、イギリスなどでもナノ衛星開発を行っているが、中国も小型衛星の開発に注力し、現在は25キロから1000キロの小衛星を建造する技術を有している。今回の打ち上げ成功について、中国メディアでは中国がこうした宇宙技術先進国の仲間入りを果たしたことを示すと報じている。

 今回発射された二つの科学実験衛星は、マイクロ電子技術やナノテクノロジーを結集して建造された新型衛星といえるもの。しかし、これまでに世界で開発されたものの中にはわずか数キログラムしかないものもある。

 そのコンパクトな点がメリットとなり、宇宙空間に多数配置が可能で、観測の効率化を図ることもできる。こうした新型衛星の登場で宇宙開発は加速しており、中国においてもその応用範囲を急速に拡大させていく方針。(サーチナ・中国情報局)