2003-11-10 JAXAが都内に商談窓口、宇宙利用拡大へ産学官連携強める

 宇宙関連機関を統合し、10月に独立行政法人に移行した宇宙航空研究開発機構(JAXA)が10日、都内に常時商談のできる拠点を開設し、民間企業への営業活動を拡張する。産学官連携をビジネスにつなげ、旧来の研究・開発一辺倒の体質改善を加速する。

 新拠点は、広報部門が入居している東京・浜松町の世界貿易センタービル内に開設する。産学官連携部に所属する参事、連携企画グループ長、技術コーディネーターの3人を配置する。人工衛星などによる宇宙利用拡大や技術の民間移転などを活発化させる。

 同じ階には一般向け広報拠点の「JAXAi」があるが、それ以外の場所は、情報収集衛星の打ち上げなどでセキュリティーが厳しくなり、部外者の立ち入りが制限されている。敷居が高い印象をぬぐうためビジネス目的の部外者が気軽に入れる場所を設け産学官連携や技術移転などの商談をしやすいムードを演出する。

 JAXAは、宇宙機関統合によって独立行政法人に移行し、従来から技術開発や研究だけの機関という批判に対して、専門部署を置いて産学官連携の推進を活動の大きな柱にしている。

 個別の企業への営業や各種展示会での技術展示などの活動を強化しているが、まだ成果はあがっていない。さらに専門の窓口をおき、外部から自由にアイデアやビジネスチャンスを取り込みたい考えだ。(日本工業新聞)