2003-08-04 飛行船、成層圏に到達、世界初:航空宇宙技術研が飛行試験

 独立行政法人・航空宇宙技術研究所(東京都調布市)は4日未明、茨城県日立市で飛行船の成層圏滞空飛行試験を行った。同研究所によると、飛行船が成層圏に達したのは世界でも初めてという。同研究所は成層圏に飛行船を滞空させ、地球環境保全のための観測・監視活動や通信・放送の基地として利用する「成層圏プラットフォーム飛行船システム」の実験を進めており、今回の飛行試験はその一環。

 飛行船は無人で、全長47メートル、胴体の直径は最大12メートルあり、強化繊維でできている。無動力で、ヘリウムガスの浮力を利用した。

 同日午前3時21分、日立港から上空へ飛び立ち、1時間54分の滞空で高度約16.4キロに到達。その後、日立港の東約40キロ沖の海上に着水、回収された。上空では成層圏飛行時の船体強度や、大気の採取などの実験を行って、飛行船に搭載した機器を通じて地上へデータを送った。(毎日新聞)